この記事では、決済サービスSquareが新発売したオールインワンPOSレジ・新決済端末の「Squareレジスター」とはどういった位置づけなのか、その機能、値段、手数料をエアペイと徹底比較しました。おすすめはどっちなのか、あなたのお店やビジネスの状況に応じて選べるようにまとめています。
世界で使われている決済サービス、スクエア(Square)
小規模の小売店やネットショップなどの決済方法として世界で使われているスクエア(Square)では、これまでも様々な決済端末やソフトを発表してきました。
オールインワンの一体型POSレジ、「Squareレジスター」
2024年、行動制限などが終わって対面での小売業が本格的に復活していく中、スクエアでは「Squareレジスター」という本格的な2画面の決済端末、オールインワンのポスレジを発表しました。これまではスクエアでは、どちらかというとどんな業態にも対応できるフレキシブルさを重視してSquareレジのアプリをはじめ、決済システムのソフトウェア・ハードウェアを様々してきて、どれを選ぶかをユーザーが自由に選べるという方向でやってきましたが、今回、ついにフラッグシップモデルと呼べるオールインワンの一体型POSレジが登場しました。
Squareレジスターの機能
Squareレジスターの機能を見ていきましょう。
2画面ある
一番大きな特徴は、2画面あるということです。これまでのスマホやタブレット1台で完結するPOSレジや決済システムは、1画面しかありませんでしたから、
- 店員が入力して、金額まで計算、支払方法を教えてもらって、お客さんに決済可能な状態で渡す
- お客さんは金額を確認して、決済する
という流れでした。しかし、これ、カウンター越しではもちろんやりにくい(斜めとか横に並んで距離を近づける効果はあるとして)ですし、なんといっても「金額あってる?」といったイレギュラーな質問があったり、やっぱりやめる、といったことになると、店員さんが大慌てで画面を戻していって、、、といった緊急対応が必要になるのがネックでした。
今回のSquareレジスターは2画面ありますので、
スタッフ側、お店側は販売情報が一目でわかるようになっています。大きなタッチスクリーンですので、何を購入したか、何を注文したかなどを分かりやすく、間違いなく選んで確認をすることができます。
お客様用の決済端末もスタイリッシュになっています。これまでのものに比べるとかなり大きなものですが、金額が分かりやすく表示されていたり、様々なクレジットカードなどでの決済がスムーズにできるようになっています。スタンドに取り付けたり外したりもできます。これは高額の決済でも安心感を持ちますよね。
特にレストランやアパレル、インテリア、雑貨などの物販で少し所得が多い客層を狙っているお店では、このスタイリッシュな決済端末を導入するメリットは大きいのではないかと思います。
返品やキャンセルの処理が簡単で手数料がかからない
また、あまり多くはないとは思いますが、返品やキャンセルが発生した場合には、スクエア・ポスレジで全部か一部の払い戻し処理ができます。わざわざサポートなどに連絡しなくてもいいんですね。正しい交通系ICは除きます。また、この払い戻しの手続きの際は、手数料はかからないというのも嬉しいですね。
オンラインショップやサブスクなどでの決済にも利用可能
引き続きオンラインショップやサブスクなどでの決済にも利用できます。まず、請求書がクラウド請求書無料で作ることができます。スクエア請求書という機能です。もう1つ、自動引き落としの機能があります。定期的なお支払いがある場合には、毎回カードを預からなくてもカード情報を保存しておいて回収をすることができます。
意義申し立て
また、決済システムでは、この取引はおかしいのではないかということがユーザーから来る場合もあります。もちろん、これは金額が違う場合や返品をしたのに返金されていないといった場合も含みます。この時のために支払いの意義申し立ての仕組みがちゃんと確立しています。こういうところが透明になっている決済システムだと、日本人はそれほど気にしないかもしれませんが海外からのお客さんの場合は安心して利用しやすいですよね。
POSレジアプリ
さらに、このオールインワンのスクエア・レジスターは、POSレジアプリがもともと入っています。
在庫管理やオンライン販売、データの分析やスタッフの管理までできる
忘れちゃいけないのは、POSレジではどんな機能があるのかと言うと、在庫管理やオンライン販売、データの分析やスタッフの管理まですることができます。この辺りは、スクエア・リテール・POSレジという機能です。
商品ライブラリのインポート機能
また、雑貨やアパレルなどの小売店などで新しく入荷した商品が多い場合には、複数の商品を一つ一つ登録するのではなく、インポート機能を使って商品ライブラリにまとめて追加したり更新することができます。また、商品はカテゴリーを設定してまとめることができますので、どの部門、どんなジャンルの商品が売れたのかと言ったことも把握しやすくなります。
商品のカスタマイズ 注文のトッピングやオプションメニューなどを追加できる
飲食店で使われることも考慮されているので、商品のカスタマイズ設定というものが初めから可能になっています。注文のトッピングやオプションメニューなどを追加することができるようになっているというのは安心ですよね。世界中の様々な業種で使われているスクエアなので、こういったところに関しては漏れは少ない決済サービスだと考えて間違いありません。
災害時のためのオフラインモード
災害時のためにオフラインモードも搭載しています。インターネット接続が復活したら自動的に処理されるようになっていますが、24時間以内に処理されなかった決済は期限切れとなって無効になってしまうので、この点は覚えておきましょう。
レシートも発行可能
もちろん、レシートも発行可能です。メールやSMSを使って電子レシートを発行することもできますし、紙のレシートを印刷することもできます。
これらのポスレジの機能は、世界中で使われているスクエアターミナルやスクエア・スタンド、スクエアリーダーなどと共通になっているので、今後も随時機能が更新されたり強化されていくものと思われます。
対応する支払方法と手数料
支払方法では、クレジットカード以外に電子マネーやPayPayのQRコード決済にも対応しています。
決済手数料
気になる決済手数料は、今までこれまでの既存のサービスと同様になっています。決済手数料率自体は、機能やカードなど支払い方法によって少し差があることがありますが、業種や規模にかかわらず一定と公表しているのは安心材料ですね。(クレジットカード会社は業種や規模によってだいぶ手数料率が違います)。
固定費や維持費は0円
さらに固定費や維持費は0円、全くかかりません。導入の手数料や毎月の会費などが余計な費用が全くかからないので、シンプルにキャッシュレス決済の手数料例えばVISA、マスターカード、JCB、アメックス、PayPayなどは3.25%なので、「この程度かかる」ということだけ覚えておけばいいので余計なことを考えなくて頭がすっきりしますね。
オプションの周辺機器
スクエア・レジスターにはオプションの周辺機器もたくさんあります。レシート用のプリンター、バーコードスキャナーの他、キッチンで使うプリンター、そして現金決済用のキャッシュ・ドロワー(引き出し)もオプションがあります。プリンターは専用の用紙をロール紙を購入しないといけませんので、(正直、他社もそれほど変わりませんが)導入を検討する際はもそういったところも考えておいてください。
入金までが早い 入金サイクルは有利
さらに、入金までが早いのがスクエアの特徴であり、他社に対する最大の強みです。みずほ銀行や三井住友銀行なら、翌営業日に決済手数料を差し引かれた残りのキャッシュレス決済の代金が自動で振り込まれます。これはありがたいですね。キャッシュフローが大幅に改善します。みずほと三井住友以外は、毎週金曜日に振り込まれるということなので、この機会にみずほや三井住友銀行を決済銀行に変更してもいいかもしれません。
Squareレジスターの値段はいくら? 4回払いで月々2479円から
高級感のあるルックスが印象的なスクウェア・レジスターの値段はいくらなのでしょうか?
本体価格が8万4980円ですが、時期によってはキャンペーンなどで割引になっています。2024年4月上旬現在では、発売記念のキャンペーンが実施されていて、2万5500円オフとなっています。5万9480円だと、24回払いで月々2479円となります。
お金を扱うシステムにとって、信頼感というのはかなり重要ですよね。スクウェア・レジスターの
- 見た目の安心感、
- 設定の簡単さ、
- さらに2年間の制限付き保証もついている
などを考えると、あなたのお店、あなたのビジネスを1ランク上に高見えさせてくれる、かなりお得な決済システムではないでしょうか。
Airペイ(エアペイ)と機能・値段・手数料を徹底比較
日本では、スクエアのライバルとしてある程度シェアを持っているのが、リクルートが運営しているAirペイ(エアペイ)です。Airペイは導入する企業や個人事業主が持っているiPadやiPhoneに無料のAirペイソフトをダウンロードして、専用のカードリーダーと組み合わせて使用します。
このAirペイ(エアペイ)のカードリーダーが、コンパクトでいいと言えばいいのですが、少し安っぽく見えてしまうのが、雰囲気のいいお店に行った時に興ざめで少し残念なんですよね。また、導入費用0円と言っても、プリンター、レシートプリンターは別途必要です。
Airペイ(エアペイ)の値段 導入費用0円で始めようキャッシュレス導入キャンペーンなら0円
Airペイの方は定価からだったのかどうか分かりませんが、導入費用0円で始めようキャッシュレス導入キャンペーンを行っていて、Airペイ利用開始時には初期費用が0円になっています。カードリーダーも0円になっていますし、iPadを無償で貸与しています。iPadも買うと高くなってしまいましたからね。
ただ、キャンペーンの利用には制限がありますので、条件は確認してください。
Airペイ(エアペイ)は支払い方法が多彩
支払い方法が多彩、特にクレジットカード以外の
- 交通系ICカード
- QRコード
- さらにDポイントやTポイント
- インバウンド向けのアリペイ、銀連ユニオンペイなど
支払い方法が豊富なのは、国産決済システムとしてのAirペイの強みです。
Airペイ(エアペイ)の手数料率
また、手数料率がクレジットカードでは3.24%でわずかに0.01%安くなっています。Airペイのページを見て注意して欲しいのは、決済手数料が安いように見える2.95%で安いように表示しているんですが、実は交通系電子マネーやQR決済には消費税が別途かかってきます。そのため、実質的な決済手数料は3.24%になりますので、この点に関してはほとんど変わらないということは是非覚えておいてください。
Airペイでも月額の固定費や振込手数料は0円
その他、Airペイでも月額の固定費や振込手数料は0円ですので、この点でもスクエアレジスターとほとんど差はありません。
POSレジアプリ エアレジ
エアペイにもエアレジというPOSレジアプリがありますので、レジの集計、売上レポートなどを確認できる点は、ものすごく大雑把に言うとそれほど大きな変わりはありません。ただ、通販サイトも一体化して管理できるSquareレジスターのPOSレジに比べると、エアレジは若干簡易なイメージです。
SquareレジスターとAirペイ(エアペイ)で大きな違いがある部分3点
ただ、違いがあるところは、審査の厳しさや使い始める日までの長さ、資金回収までの期間、入金サイクルです。
審査の厳しさや使い始める日までの長さ
エアペイは使い始めるまでに2週間かかると見ておいた方がいい
エアペイの方は審査で通常3日程度となっていますが、最近はもう少し時間がかかるようになってるようです。そして、審査にとってAirペイの端末が手元に届いて、初期設定をしてからなぜかは知りませんが、利用開始ができるのが配送後約1週間ほど経ってからなんですよね。また、クレジットカードが使えるようになった後、しばらくしてから電子マネーやスマホ決済の審査通過の通知が届いて、審査に通っていればそこから使えるようになります。ペイペイの審査はさらに遅くなることが多いようです。
スクエアは最短で申し込んだその日から使える
スクエアはオンラインショップに関しては最短で申し込んだその日から使えますので、このスピード感は断然早いです。また、スクエアレジスターの端末が届いたら、開封してWi-Fiに接続すれば、ほぼそのまま使えますので、例えばお店のオープン前日にスクエアレジスターが届いた、という事態であっても間に合わせることができそうです。(商品登録やレジ操作の練習は別途必要です。)
振込回数・入金サイクル・キャッシュフロー
エアペイは最大振込回数が月6回か3回
エアペイの方は最大振込回数が、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行では月6回になっています。決済してから概ね5日から10日後に5営業日分がまとめて振り込まれます。毎月5日、10日、15日、20日、25日、末日となっています。それ以外の金融機関の場合には、月3回の振込で、例えば前月の末日から当月の9日までの決済したものは当月の15日に振り込まれるといった入金サイクルで、5日、15日、25日に振り込まれます。ゆうちょ銀行は振込営業ができません。また、エアペイとエアペイQRで振込名義人が違ったりと、少しややこしいところがあります。
Squareは入金までのサイクルが超早い
上にも記載しましたが、入金までが早いのがスクエアの特徴で、他社に対する最大の強み。みずほ銀行や三井住友銀行なら、翌営業日に決済手数料を差し引かれた残りのキャッシュレス決済の代金が自動で振り込まれます。この点では抜群にSquareがおすすめです。
オンラインショップとの組み合わせ オンラインでの決済
もう1点、エアペイとSquareではもう1点、大きな違いがあります。
エアペイエアレジは、オンライン決済では全く使えない
実店舗にオンラインショップとの組み合わせを行いたい、という場合もありますよね。には、エアペイエアレジに関しては、オンライン決済では全く使えないんです。ここは残念ですよね。エアペイはホットペッパーやホットペッパービューティーのお客さんである美容院や飲食店のように、対面でのお店やサービスを想定しているとイメージしておくと、分かりやすいのではないでしょうか。
特に決済の審査に関しては、PayPayなどは有名ですが、実店舗の写真画像がないと審査に通らない場合があります。エアペイでもこれに似たような審査を行っているのかもしれません。
Squareレジスターとエアペイ、どっちを選べばいい?
Squareレジスターとエアペイ、こういった違いを見比べる中でどちらを選べばいいのかをまとめます。
しっかりと内装デザインにもこだわり、1ランク上の客層がターゲットならスクエア・レジスター
物販・飲食店・サロン・サービスなど実店舗がある店舗のうち、しっかりと内装デザインにもこだわっている、1ランク上の客層がターゲットというお店に関しては、スクエア・レジスターをおすすめします。理由はスクエアレジスターの見た目から得られる信頼度、安心感は大きな強みで、これが月々たった2500円というのは激安と言って良いでしょう。
とにかく早く使い始めたいならスクエア・レジスター
また、とにかく早く使い始めたいという方も、スクエア・レジスターをおすすめします。理由はAirペイでは使い始めるまでに10日から2週間かかってしまうからです。しかも、Squareレジスターでは、実店舗に届いた際も箱を開けたらそのまま使えるぐらいの状態になっているので、使い始めのトラブルでお客様にご迷惑をおかけする心配も少ないです。
物販などでオンラインショップと組み合わせるならスクエア・レジスター
物販などでオンラインショップと組み合わせるスクエア・レジスター、またはそれ以外のスクエアのサービスや決済端末の利用がおすすめです。理由はAirペイではオンラインショップ・オンライン決済に対応していないからです。
とにかく小規模で初期費用も安く抑えたいならエアペイ
とにかく小規模で初期費用も安く抑えたいという方には、エアペイは特に今、0円キャンペーン(iPadも無償貸与)をやってるのでかなりおすすめです。
QRコード決済・アリペイなど多様な支払方法にこだわるならエアペイ
エアペイの公式サイトによると、支払方法の多彩さではエアペイは国内でも最も多いサービスとのことです。ポイントでの支払いも可能というフレキシブルな決済サービスはどちらかというと様々な客層の方が集まるお店には向いていますよね。今後も対応するサービスは増えていくものと見られます。
日によって売り上げに差があるならスクエア・レジスター
観光地にあるお店など、平日と週末で売り上げの差が大きい場合や、例えば数万円から数百万円の商品やサービスを取り扱っていて、決済が月に数件、というばあいにもスクエア・レジスターまたは、そのほかのスクエアの決済サービスの利用がおすすめです。理由はスクエアでは翌営業日支払いなのに対し、エアペイでは支払いサイクルが5-10日と長く、切れ目によって入金額が大幅に変わってしまう可能性があるからです。
運転資金が少なく、キャッシュフローを改善させたいならスクエア・レジスター
経営者は手元の運転資金が少ない場合、仕入れ先や経費の支払い期日までの支払いサイクルと、商品やサービスが売れて決済して、その売り上げが実際にあなたの銀行口座に振り込まれるまでの入金サイクルの差を常に意識しておく必要があります。入金サイクルの方が遅くなった場合、支払いのために一時的なつなぎ融資・短期融資をしてもらえる場合もありますが、何かの理由でつなぎ融資・短期融資が受けられなくなったり、万が一、スクエアやエアレジでの決済以外の部分で貸し倒れなどが発生して資金繰りがつかなくなった場合、どんなに黒字のビジネスでも資金がショート(不渡り)してしまうリスクがあります。このようなリスクを減らすのに効果的なのが入金ターム、入金サイクルの短縮によるキャッシュフローの改善です。日本国内で利用できる決済サービスの中で入金サイクルが最も短いサービスの一つがスクエアのサービスです。
まとめ
Squareレジスターは世界発売ですが、独特の市場を形成している日本国内では、ちょうどエアペイとの棲み分けを分かりやすい形で促してくれる存在になりそうです。この記事が決済サービス・端末選びの一助になれば幸いです。末筆ながら、あなたのお店やビジネスの成功と発展を心よりお祈り申し上げます。