はじめに:会計ソフトの重要性とノートパソコンの選び方
2023年現在、会計ソフトを入れるだけ、会計ソフトを使うだけのノートパソコンには、それほど高機能・高性能やスペックは必要ありません。ただし、インボイス制度や電子帳簿保存法が施行され、請求書や経費精算の領収書の証憑データ・画像データを保存していく必要がある場合、ストレージサーバとして容量が大きめのサーバを利用したり、ストレージ増設が後から可能なシステムを導入する必要があります。さらにデータのバックアップも検討が必要です。このページでは会計ソフトを使用するためのノートパソコンの選び方をまとめています。
近年、ハッキングやコンピューターウィルスの被害が増えており、アンチウイルスソフトの搭載は必須です。しかしアンチウィルスソフトを導入すると、パソコンの動作は5-20%遅くなります。その状態でも快適に使用できるように、サバを読んで、少し上のスペックのノートパソコンを採用することもノートパソコンの選び方として重要なポイントです。
クラウド型の会計ソフトを使用する場合、クライアント/サーバー型会計ソフトのクライアントPCとして使用する場合
特に最近は、クラウド型の会計ソフトが増えており、ノートパソコンはインターネットにアクセスできて、マイクロソフトEdgeやグーグルChromeなどのブラウザでホームページを閲覧できる程度の最小スペックのノートパソコンであれば十分です。決算などの集計作業を行うなら24インチ以上の大きなディスプレイがあった方が良いですが、日々の経費精算、請求書や領収書発行などの作業がメインの用途であれば15インチのノートパソコンでも十分です。
クライアント/サーバー型の会計ソフトのクライアントPCとして使用する場合も、最小スペックのノートパソコンで十分です。
クライアント/サーバー型の会計ソフトのサーバPCとしてノートPCを使うのはセキュリティの観点でもおすすめしません。ベンダ指定のサーバ専用機を導入し、空調を完備して、施錠のできるサーバー室に設置しましょう。
インストール型の会計ソフトを使用する場合
一方、弥生会計などのようにインストール型の会計ソフトを使用する場合は、もう少しハイスペックのノートパソコンが必要です。
会計ソフト用ノートパソコン選びのポイント:CPU、RAM、ストレージ、モニター、価格、サポート
会計ソフト用ノートパソコンの選び方では、次の6つの点に注意が必要です。
- CPU
- RAM
- ストレージ容量
- モニター
- 価格
- サポート
CPUはインテル搭載モデルがおすすめ
CPUではインテルCPU搭載モデルがおすすめです。最近ではCPUの違いによるソフトウェアの動作の差は非常に小さく、特に会計ソフトではほとんど認識しなくても良いくらいです。しかし、メーカーが動作検証を行っているのはインテルCPUだけ、という場合があり、逆にAMDや他社のCPUしか検証していない、というケースは稀なので、インテルCPUにしておけば、まず問題はありませんし、不具合があってもメーカーの言い訳にされることがありません。
メモリ(RAM)は8GB以上がおすすめ
以前、Windows7やWindows8.1の時代には最小メモリは4GBというのが普通でした。しかし、Windows10/11が標準となっている2023年、推奨メモリ(RAM)は8GBです。メモリサイズが小さい場合、使用中のソフトがフリーズして、最も重要な会計データにダメージを与えてしまう危険性があります。これだけは避けなくてはいけません。メモリ(RAM)は8GB以上を搭載したノートパソコンがおすすめです。
ストレージ容量は使用状況によって異なる
ストレージメディアは以前はHDD(ハードディスクドライブ)が一般的で安価でしたが、低速でOS起動までにとても時間がかかってしまいますので、SSD(ソリッドステートディスク)がおすすめです。最近ではかなり価格もこなれてきて、メーカーごとの品質の差も縮小しており、選択肢が増えています。
ストレージ容量は使用状況によっておすすめが異なってきます。クラウド型の会計ソフトや、サーバークライアント型会計ソフトのクライアントとして使用する場合には80-120GBもあれば十分です。
一方、インストール型の会計ソフトを使う場合やサーバークライアント型会計ソフトのサーバーとして使用し、電子帳簿保存法の請求書や経費精算の領収書の証憑データ・画像データを保存していく場合には、事業の規模によって500GB-1TBといった大き目のストレージ容量をはじめから確保するか、USBやサンダーボルト接続で外付けハードディスクストレージを用意するのがおすすめです。ハードディスクやSSDが一部故障しても、データが失われないようにRAID構成にするといった冗長性の確保や、NASの採用、テープメディアへの定期的なバックアップオペレーションやメンテナンスもワークフローに含めておく必要があります。
モニターディスプレイは15.6インチがおすすめ
モニターディスプレイはノートパソコンであれば一般的な15.6インチのモニター搭載モデルがおすすめです。会計ソフトのみを使用するパソコンを持ち歩くケースは限られます。また、15.6インチパソコンは台数が多いため、ディスプレイサイズの小さい13インチや14インチのモニターディスプレイ搭載モデルより価格がこなれていて、コスパが良いモデルが豊富です。
価格
CPU/メモリ/モニターが最低限でコスパのいいタイプに条件をそろえると、会計ソフト用ノートパソコンの価格に一番影響を与えるのはストレージ容量となります。この点は使用環境に応じて最適なものを選ぶのがおすすめです。また、ノートパソコン本体には最小限のストレージ容量を確保し、電子帳簿保存法対応の証憑画像データの保存には外付けのハードディスクやNASを採用するという方法も現実的です。こうすれば、ノートパソコン本体が故障したり、古くなっても、ストレージはそのまま使用することができます。
また、価格を検討する際の予算にはこの下で述べるサポート・保守費用も考慮に入れるべきです。
サポート
会計ソフトはERP、ECサイトのフロントエンド同様、法人向けのシステムの中では最も重要な基幹部分です。不調を事前に予測したり、故障時の対応がスピーディーに行われないと、企業としても大きな機会損失になります。そのため、ベンダーと保守契約を結び、定期点検やメンテナンスを行ったり、非常時の出張や部品交換対応のサービス内容を検討すべきです。
最近ではハードウェア故障だけでなく、ハッキングやコンピューターウィルスなどの被害も増えています。大きな企業や病院のシステムがウイルスやハッカーによってダメージを受け、長期間、業務停止に陥った事例がたびたび報道されています。バックアップからのリストア作業のフローもリハーサルをしておき、復旧までの時間の目安を把握しておくことが重要です。
会計ソフト使用におすすめのノートパソコン一覧
おすすめノートパソコン1:NEC LAVIE Direct N15(S)
直販価格52800(税込み)~
GN287J/GS
GN287L/GS
Windows 11 Pro 64ビット
第11世代 インテル® Core™ i7-1165G7 プロセッサー
メインモエモリ8GB(DDR4 SDRAM/オンボード4GB+SO-DIMM 4GB、PC4-23466対応、デュアルチャネル対応)/8GB
内臓ディスプレイ 15.6型ワイド LED液晶 (Full HD)
ストレージ SSD 約1TB(PCIe)
おすすめノートパソコン2:富士通 FMV Lite WA1/G3 FMVWG3A116
インテル® Celeron® プロセッサー 6305
動作周波数 1.80GHz メモリ標準8GB(8GB×1)/
最大32GB(注13)液晶ディスプレイ15.6型ワイド ストレージ 約256GB SSD(PCIe)
おすすめノートパソコン3:HP HP 15s-eq
Windows 11 Home in Sモード 4GB AMD 3020e AMD Radeon™ グラフィックス 128GB SSD
HP希望販売価格
¥38,280(税込)~
おすすめノートパソコン4:デル Vostro3510
インテル® Celeron® プロセッサー 6305 (4MB キャッシュ, 1.8 GHz)
laptop
Windows 11 Home, 日本語
(Dell Technologiesはビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします)
videocard
インテル® UHD グラフィックス
memory
4GB, 4Gx1, DDR4, 2666MHz
harddrive
256GB M.2 PCIe NVMe SSD
51580円から 税込み配送料込み
まとめ:御社に合ったノートパソコンで快適な会計作業を
会計ソフトを使う場合、個人用に比べると使用環境の幅が広く、実際に御社で使用している会計ソフトによって、ベストなノートPCの選び方は変わってきます。会計ソフトベンダに相談してみたりするのも良いですし、当サイトで紹介している大手PCメーカー直販サイトでは、法人向けの相談窓口も設置されているため、使用状況や要望、予算をお伝えすれば、最適なノートパソコンや周辺機器を提案してくれます。